19世紀後期、イギリス製と推測されるブローチです。

流れるようなラインの葉に、真珠を半分にカットした
ハーフパールをセット。
葉の先端や中ほど、場所により異なる地金の幅に合わせ
一つずつ爪留めした直径1ミリ弱〜2ミリ弱の大変小さな
パールが、美しいグラデーションを描いています。

葉の外側曲線に沿いあしらわれた五粒のパールは、花、
あるいは果実を表現したものでしょうか。
少し遠くから眺めると、ちょんちょんと、五粒がまるで
宙に浮いているかのように見えます。

筒型の台を用い設けた葉の部分との高低差、爪ではなく
枠を使用したセッティングで強調したパールの存在感、
そして葉とパールを繋ぐ枝をより細く見せる工夫など、
何気ない中に隠されたいくつもの計算が、この愛らしい
効果を生み出しているのです。

パールとゴールドのみのシンプルなデザインゆえに
細部にまで手をかけたつくりの良さが際立つ作品です。

年代　　1800年代後期
国　　　イギリス
素材　　ハーフパール ゴールド
サイズ　約4.5cm×1.5cm

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