20世紀初頭頃のフランス製、ヤドリギをモチーフにした
ブローチです。
制作時期や流れるようなラインから、当時の美術、
工芸界を席巻していたアールヌーヴォー様式の影響が
見てとれます。
艶を抑えたゴールド台の中央に配したヤドリギは、
小さなパールを果実に見立てた愛らしいデザイン。
全体にイエローゴールドを使用していますが、
細やかな凹凸模様を施した葉の表面部分にのみ、
ごく薄くグリーンゴールドを合わせています。
ヤドリギが古来ヨーロッパ各地で神聖視されてきたのは、
まるで他の木々のエネルギーを宿らせたかのように
保たれる常緑性が大きな要因だといわれています。
その特徴ある青々とした葉をとりわけ繊細に表現したのは、
配色上の美しさはもちろん、アールヌーヴォーの
自然主義的な一面を大切にした結果なのかもしれません。
デザインに加え、ピン先を保護する留め具のカバー
などからも、丁寧につくられた作品であることが
分かります。
フランスのゴールドを示す鷲の頭の刻印があります。
年代 1900年代初頭
国 フランス
素材 パール 18金
サイズ 約5.8cm×0.9cm
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