アンティーク ダイヤモンド ゴールド エナメル ペンダントトップ/ピアスセット

ダイヤモンドとエナメルのペンダントヘッド兼ブローチ、
ピアスのセットです。
デザイン等の特徴からおそらく19世紀後期、オーストリア=
ハンガリー二重帝国時代の作と推測します。

ペンダントヘッドは縦9センチを超える大ぶりなサイズ。
幾層かの透かしや装飾性を帯びた金細工を土台とし、葉と、
花に見立てたダイヤモンド、揺れるパーツを合わせた華やかな
デザインです。

底面にオープンワークのフレームを、その上にゴールド特有の
重厚感あふれるサークル型モチーフを重ねています。
地金部分の極小の模様は、手作業で一つずつ点々と、細かく
打ち込んだものなのでしょう。
ブラックエナメルでくっきりと描かれた文様はどこか古代風で、
当時流行していた歴史主義の影響も感じられます。

ふわりと舞うゴールドの葉にもエナメルを施し、花びら型の爪留め
中央にはダイヤモンドをセット。
そして、さらに高さのある爪を経て、モチーフ全体の頂点に煌めく
大粒の一石に至るその高さは約2センチ、驚くべき立体感です。

オーバルシェイプのメインストーンのサイズは8ミリ×6ミリほど、
比較的整った三角形のカット面が肉眼でも確認できる、面数も多い
ローズカットです。
他十九石、小さめの石はカットも、シェイプも少々不揃いでしょうか。
ただその個性がかえって魅力的で、モチーフのあちらこちらで
キラリキラリと強く輝き、各々の存在を主張しています。

ダイヤモンドは下がり揺れる五筋のパーツ先端にも飾られています。
正面から眺めると幅1ミリにも満たないライン、実は裏側には
奥行と厚みがあり、視覚的な繊細さと物理的な強度を同時に保有する
凝った作りです。

細やかに手をかけ作り込んだパーツを離れふと全体像に目をやると、
基本は左右対称の、端正なデザインであることに気が付きます。
ダイヤモンドを引き立てる白色の金属を用いることなく、
金色のみでまとめた配色の潔さもあってか、ともすれば装飾過多な
印象が、絶妙なバランスで上品に、軽やかにまとめられた
大変素晴らしい作品です。

ヘッドのクオリティーをそのままに、僅かにコンパクトに仕上げた
ピアスとのセットで現代まで残っていることもまた、稀少性を
高めます。

少々のエナメルの欠損は作品の完成度には影響のない程度と
考えます。

年代  1800年代後期
国   オーストリア(推定)
素材  ダイヤモンド ゴールド エナメル
サイズ  ヘッド約9.5cm×3.6cm ピアス約4.8cm×2.2cm

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型番 gj21030
販売価格
1,890,000円(税込)
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