アンティーク ダイヤモンド ゴールド シルバー ハート リング

19世紀後期頃製のダイヤモンドリングです。

石周りに使われたシルバーのセッティングや古色を帯びた重厚感、
裏側をふっくらとした地金で覆い閉じた特徴的なデザイン等、
制作期よりさらに100年前後遡った、ジョージアン期のジュエリーを
模倣したものと考えられます。

モチーフはハート、メインストーンはローズカットの一石。
石自体が大粒のハートシェイプに見えますが厳密にはペアー
シェイプで、カット面の位置と、石を留める枠の形状を利用し
ハート型に見せています。
加えて周りをダイヤモンドを埋め込んだハート型の地金で
ぐるりと囲むことで、ハートのフォルムをより印象づけるという
巧みで洒落た演出です。


現代と同様、19世紀においてもハートは結婚や婚約、恋人たちの
愛の象徴として好まれたモチーフです。
元々はそこに愛情を示す意味はなく、一意匠としてや、宗教的な
表現として用いられており、現代のような意味を持ち合わせたのは
中世以降のことでした。

先端がきゅっとカーブした「ウィッチズハート」、二つのハートを
恋人同士に見立てた「ダブルハート」、王冠や炎、手、鍵と合わせ
「心の支配者」「燃える愛」など特別な意味を与えたもの等、
ハートのデザインは単体でも組み合わせでもバリエーションが
豊富で、何より視覚的にも大変華やかです。
特に情緒的、感傷的な風潮が世に溢れた19世紀後期頃の時勢と
ハートのモチーフは、抜群の相性であったのでしょう。


こちらの作品のハート上部に飾られているのは、少々簡素化した
ボウノット、リボン結びでしょうか。
「解けない愛」を象徴するリボンもまた、ロマンティックな
メッセージ性とビジュアルがハートとの組み合わせに最適な、
人気を博したモチーフです。

リボン中央の結び目と先端には、オールドヨーロピアンカット、
オールドマインカットのダイヤモンドを配しています。
大胆なカットで力強くも滑らかな輝きを見せるローズカットの
メインストーンと、細かくきらきらと煌めくリボンに
あしらわれた九石とは表情が全く異なり、さらにメインを縁取る
十三石も加わって、まさに輝きの競演という表現がぴったりの
豪華さです。

メインモチーフを支える台とシャンクは、植物にも似た
程よく装飾的でボリュームのあるバランスの取れたデザイン。
リングを指につけ眺めると、縦約2.4センチというフェイスの
大きさと、様々なシェイプ、カット、サイズの計二十二石が
織りなす圧倒的な輝きと存在感に、思わず溜息がこぼれます。
アンティークダイヤモンドの魅力が存分に味わえる、
高いデザイン性と迫力に満ちた作品です。

年代  1800年代後期頃
国   ヨーロッパ
素材  ダイヤモンド ゴールド シルバー
サイズ  15号 サイズ直しについて

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型番 gj21031
販売価格
989,000円(税込)
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