ネックレス、イヤリング、ブローチの三点が揃った
ミリアムハスケルのセットです。
1950年代頃の作品と考えられます。

独特のデザインと共に、奇抜な色合わせなどカラフルな
イメージもあるミリアムハスケルのジュエリー。
実はブラックやホワイト、クリアのモノトーン系の作品も
多く見られます。
そして色味を抑えた分、パーツやデザインによりこだわりが
強く表れているのも、ハスケルの、とりわけハイクラスに
分類されるモノトーンジュエリーの特徴と言えるでしょう。

使用されているのはブラック、クリアの二色。
一方パーツはといえば、三点で計七種類にも及びます。
まず目に留まるのは、ネックレスのトップ、ブローチに
共通する大粒のドロップ型クリアガラスではないでしょうか。
最も厚い部分は1センチ超、クリア＝透明感、きらめきを
引き出すカットが全面に施されています。

メインのガラス周りを飾るのは小さなクリアビーズの葉と、
ブラックビーズが象るお花のモチーフ。
センターには大きなクリアラインストーンがきらきらと
輝きます。
さらにはヴェネチアンでしょうか、ブラック×クリアの
変型ビーズを花や果実に見立て添え、ことネックレスに
おいては、トップから、後方のクラスプへとつながる途中で
漆黒のカットビーズへと大胆にチェンジする、ユニークな
趣向も見られます。
ジェット風のブラックラインストーンを、留め具の
小花にあしらうためだけに登場させているのも、なんとも
贅沢な使い方です。

三点のアイテムは少しずつ、デザインやボリュームが
異なります。
最も華やかなブローチは縦横6センチほどの大ぶりな
サイズ。
ネックレスのトップは少々飾りを控え、フォルムも縦型に。
ブローチとトップからそれぞれ取り出したかのような
愛らしいブラックビーズのフラワーイヤリング。
アイテム個々の美しさはもちろん、幾通りもの組み合わせに
対応し得るバランス感覚の良さもハスケルの魅力であり、
それは多点数のセットを通してこそ見えてくるものなの
かもしれません。

裏側に"MIRIAM HASKELL" のサイン。

クリアガラスの小さなチップ、メタルの少々の変色は
作品の完成度に影響を与えない程度と考えます。

年代　　1950年代
サイズ　ネックレス長さ約41cm（アジャスター部分6cm含）
　　　　トップ約5.8cm×3.5cm
　　　　ブローチ約6cm×5.8cm　イヤリング約2.5cm×2.5cm

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