MIRIAM HASKELL アンサイン パール四連ネックレス/イヤリング セット

ミリアムハスケルのネックレスとイヤリングのセットです。

ヴィンテージコスチュームジュエリーのメーカーを特定する際、
最も大きな判断材料となるのがジュエリーに示されるメーカーの
サインです。
現代まで名前が知られるメーカーの作品は、その多くに
ブランドやデザイナー名が記されています。

ミリアムハスケルの作品も同様に、数種のサインを判断材料の
一つとすることができますが、創業した1920年代から1940年代に
かけての期間、サインの入らない作品が存在しています。
当作品はその「アンサイン」に該当する、非常にめずらしいセット
なのです。

ハスケルのジュエリー、特に模造パールの作品をご存知の方はまず、
こちらのパールの種類に目を留められるのではないでしょうか。
ハスケルの代名詞ともいわれる歪な形のバロックパールではなく、
凹凸のないつるんとしたスムースパール。
その滑らかな光沢と柔らかいアイボリーカラーは、1920〜30年代頃、
それまでの天然パールに取って代わり欧米で使われるようになった、
日本発の養殖真珠を思わせます。
実際ハスケル作品のパールへの関心やこだわりの強さから考えると、
当セット、あるいはパールそのものが、ジュエリー界を席捲した
新星に触発された可能性も大いにあるものと想像します。

四連のスムースパールには、ピンクのカットガラスとグリーンの
葉が象るお花、または果実のモチーフが飾られています。
ピンクビーズはカットの異なる二種、そして特筆すべきは
エナメルを施したリーフモチーフです。
エナメルのリーフは初期に限定されず後年のジュエリーにも
見られますが、比較的高品質の作品に、低頻度で用いられる
印象です。

独特の艶と色彩を有する半透明のダークグリーンエナメル。
その繊細さは視覚的な美しさを表現する反面、大きな破損の
リスクも伴います。
世界中からガラス他さまざまな素材を集め使用していたハスケルの
作品において、きっと異なる選択肢もあったことでしょう。
しかしあえてその選択をした理由は、スムースパールの質感との
調和、ピンクガラスの輝きとの対比、そして愛らしくも
上品なジュエリー全体の雰囲気を見るに、必然ともいえるほどに
明らかです。

ボックス型の留め具はお花の透かし模様、裏側に "STERLING" の
刻印が入ったシルバー素材です。
クラスプまでもが美しいハスケルの中でも、特にアンサイン作品の
留め具の細やかな装飾性は注目に値します。


当時のデザイン資料、広告、パーツや構成、作りなど、
サインのないヴィンテージジュエリーを、ミリアムハスケルの
作品として認定するにはいくつかのポイントがあります。
世界中に熱心なコレクターが存在するハスケルに関しては、
いちジュエリーメーカーの社史を超えるレベルでの
研究がなされているため、一部明確な判断根拠も示されており
それらは大いに参考とすることができるでしょう。

本作は、イヤリングのデザイン違いのセットが、ハスケル作品の
収集にあたり教科書ともされる有名なコレクターズブックに
掲載されています。
ブックピースとしての希少価値もぜひお伝えしたいポイントです。

パールのキズや剥げ、エナメルの僅かな欠け等は作品全体の
クオリティーに影響を与えない程度と考えます。

年代  1940年代
サイズ ネックレス長さ約35cm
    イヤリング約3.5cm×2cm

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型番 hj22003
販売価格
389,000円(税込)
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