アンティーク ダイヤモンド ゴールド シルバー ハンドモチーフ スティックピン

アンティークのスティックピンです。

モチーフは一石のダイヤモンドを携える右の手。
甲の側には、"26 Juni 1842" の彫りが確認できます。
"JUNI" はドイツ語等一部ヨーロッパ言語で「6月」の意、
おそらくその近辺で製作されたものではないかと考えます。

ダイヤモンドは約5ミリ×4ミリほどのドロップシェイプ、
三角形の面で構成されたローズカットが施されています。
この時代は例えば1800年代後半と比較すると、ダイヤモンドも
ゴールドも輪をかけて入手が容易ではありませんでした。

実際にダイヤモンドは少々薄く、色合いもスモーキーで、
石の存在感と輝きを強調するために、周囲を同系色のシルバーで
しっかりと覆うようにセッティングするなど、いかに豪華に
見せるかを工夫した当時のジュエリーの特徴がよく表れています。

とはいえ丁寧なダイヤモンドのカット、ギャザーのように襞を
寄せ留められた石を見ると、これもまた後年の、
ある程度の材質が揃い、量産が可能になった時代にはない
古いダイヤモンドジュエリーならではの手がかけられた
温もりを感じ取ることができるのです。

何より、メインのモチーフである「手」にこそ、当作がいかに
優れているかが顕著に表れています。
ダイヤモンドを掲げる親指と人差し指、中指はすらりと細く
伸び、薬指、小指はごく自然に曲げられ、その角度、位置
関係にもなんら不自然さが見当たりません。
掌の肉付きも良く、ルーペで覗くと指の先には小さな爪も
描かれています。
袖口にはレースを模した繊細な彫りが為されています。

身近なモチーフであるからこそバランスや作りといった
造形物としての総合的な美しさの判断がしやすく、
ひいては作品のクオリティーの高さもよりダイレクトに
感じていただけるのかもしれません。

明確な日付の刻印、また涙に見立てたのであろうペアー
シェイプのダイヤモンドから、愛する人に因んだセンチメンタル
ジュエリーの可能性が高いかと推測します。
用途も本来はネクタイの原型とされるクラバットを固定する
ピンではありますが、ぜひ性別や着用方法を限定することなく、
ジャケットやスカーフなどにも幅広くお使いください。

年代 1842年 
国  ヨーロッパ 
素材 ダイヤモンド ゴールド シルバー 
サイズ 約7cm

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型番 gj22011
販売価格
398,000円(税込)
購入数