アンティークのブローチです。
19世紀半ば〜後期頃、ヴィクトリア期の作品と
推測します。

菱形風の枠中央にリボン結びをあしらったデザイン。

貝や翼を思わせるモチーフで構成された枠部分は
一見重厚感があるものの、内部が空洞のため
手にすると驚くほどの軽やかさです。

全体的に赤味を帯びたゴールドを使用している中でも、
リボン部分は一段と、赤銅色にも近いほどでしょうか。

枠とリボンをそれぞれ別で製作し、枠の上から
リボンパーツを接合しているため、立体的な構成が
リボン飾りの存在感を際立たせています。

表面の丁寧な彫りに加え、さらに個別の単独パーツとして
作成し、ターコイズをあしらったリボンの結び目の
つくりからも、職人の持ち合わせる技術力の高さと
細やかな感性とが伝わります。

結び目（ノット）のモチーフは、解けない絆や永遠の愛を
象徴し、ヴィクトリア時代に特に人気を博しました。
控えめな装飾とカラーリング、渋味の裏側にそっと
しのばせたロマンティックなテイストもまた
ヴィクトリアンジュエリーの大きな魅力の一つです。

リボン結びのパーツが一部欠損していますが、
アンティークジュエリーとして十分に成立している
作品だと考えます。

年代　　1800年代中期〜後期頃
国　　　イギリス（推定）
素材　　ターコイズ ゴールド
サイズ　 約4.3cm×3.2cm

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