アンティークのピアスです。
地金部分に馬の頭部の刻印が確認でき、1838年〜1919年、
フランスでゴールドの検査を受けたことが分かります。

ダイヤモンドのカットはアンティーク特有のオールド
ヨーロピアンカットから、より現代的に移行していく
過渡期のもの、地金のデザインもあわせて考えると、
おそらく19世紀末〜20世紀初頭頃の作品だと
推測できます。

明るいイエローゴールドの透かしで二重の花びらを
表現し、中央には直径3ミリ強のダイヤモンドをセット。
立体的な爪で高く、掲げるように留めています。

アンティークジュエリーでは、ダイヤモンドの大きさや
輝きを増幅させるため、石周りに白色の金属を使う
ケースが多く見られます。

今作を全て金色の地金でまとめているのは、
フランスのジュエリーにおいてイエローゴールドが
好まれやすい傾向にあることも一因でしょう。

また地金と石の対比をあえて際立たたせ、
ダイヤモンドだけが耳元にふわっと浮き出したように
見せる演出とも考えられます。

何よりダイヤモンド自体の透明度や輝きに十分な
魅力があるからこそ成り立つデザインなのです。

当時フランスは「ベル・エポック（美しき、良き時代）」。
経済や産業のめざましい発展を背景に、様々な
文化芸術が花開きました。

絶妙な透かし細工やダイヤモンドの煌めきを眺めていると、
軽やかに、華やかに、その新しい時代を生きた
女性たちの姿までもが目に浮かぶようです。

フランスのゴールドを示すホールマークあり。

年代　　1800年代後期〜1900年代初頭
国　　　フランス
素材　　ダイヤモンド 18金
サイズ　 モチーフ部直径約1cm

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