20世紀初頭、イギリス製のキーパーリングです。
1909年、バーミンガムでゴールドの検査を受けたことを示す
ホールマークが確認できます。
"キーパーリング" の名称については、ジョージアン期に王が花嫁に贈った
二点の指輪に由来するという説が最も有名ではないでしょうか。
ダイヤモンドの結婚指輪と、重ね付けのできるもう一点の指輪で、後者は
結婚指輪が指から抜け落ちないようガードする目的であったといいます。
ヴィクトリアン以降は、婚約前に贈るリングとして一般にも浸透しました。
心や存在の"keeper"として相手に贈るという、表現としてはやや直接的では
ありますが、あくまで結婚に伴う、愛情のこもったロマンティックな
振舞いとして行われたことなのでしょう。
シンプルながらも適度な装飾性、絆や結び付きを連想させるデザイン。
特に決まった形態のないキーパーリングにおいて、こちらのようなプレーン
ゴールドの編み込み風のものが人気を博していたのは、リングの由来や
持つ意味合いを考えると、なるほどと納得がゆきます。
同種には捩ったように見える模様を入れたものもある中、実際に
二本のゴールドを縒り合わせ、そのツイストラインを三本重ねています。
ラインの一本には細やかな植物の彫りを施した凝った作り。
裏側もすっきりと仕上げゴールドが指にぴたりとフィットする、
大変滑らかな着け心地です。
年代としてはエドワーディアンに入っていますが、全体にヴィクトリアン
ジュエリーの香りが色濃く残っています。
単体でも十分な存在感を発揮しますので、リングの背景にこだわることなく
自由にお使いいただける作品です。
年代 1909年
国 イギリス
素材 18金
サイズ 8.5〜9号
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