淡い色調のコンクシェルを用いたカメオは、19世紀半ば〜後期頃製と
推測されます。
野に遊ぶ紳士淑女は18世紀、あるいは19世紀の装いでしょうか。
甘やかなピンク味を帯びた部分を背景に、白色の部分を人物や
植物の浮き彫りにと効果的に使い分けることで、クラシカルかつ
ロマンティックな雰囲気を見事に表しています。
立体感や細部の表現が難しいコンクシェルのカメオにおいて、
上衣のドレープやペチコートでふんわりと膨らませたドレスの柔らかさ、
太く立派な幹、こんもりと茂る葉など、絵画をそのまま写し取った
かのような芸術的な描写も秀逸です。
ルーペで初めて確認できるほど小さな五本の指等、細密画の域と
いっても過言ではないでしょう。
フレームはゴールドに丁寧な彫りを施し、縒った金線をぐるりと
あしらった古代風の装飾。
モチーフやサイズ、デザイン、全てに存在感のあるカメオと調和し、
さらに引き立てることもできる個性を兼ね備えています。
天地を軸にカメオを回転させると、ガラス蓋に覆われたロケット部が
現れるという凝った仕掛けも見どころです。
ブローチ、また裏側上部のカンにチェーンを通し、ペンダント
ヘッドとしてもお使いいただけます。
年代 1800年代中期〜後期
国 ヨーロッパ
素材 コンクシェル ゴールド
サイズ 約6.7cm×5.5cm
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