アンティークのリングです。
イギリス・チェスターでゴールドの検査を受けた
ことを示すホールマークが確認できます。
年代の特定を可能にする刻印は、おそらく過去の
リングサイズ直しに伴い消失しています。
しかしながら、用いられた宝石やセッティング等を
見るに、1900年代初頭頃製だと考えることができます。
中央のピンクレッドのカラーストーンは20世紀に入り
広く普及したシンセティック(合成)ルビーです。
濃く鮮やかなカラーリングが特徴的で、両脇に
パールを配することで、華やかさと上品さとを
演出しています。
パールは半分にカットされたハーフパールか、それに
近い形状のものでしょう。
石周りを星型にカットした枠や、地金に埋め込むような
セッティングも19世紀後期〜20世紀初頭にかけ
好まれたデザインです。
ルビーの色味に合わせたのでしょうか、地金の
ゴールドも少々赤味を帯びた温かみのある雰囲気。
この頃を境に、プラチナやホワイトゴールドの台頭、
芸術様式の移り変わり等に大きな影響を受け、
ジュエリーはより洗練され、モダンな姿へと変貌を
遂げていきます。
今作はヴィクトリアンジュエリーの香りが大いに残る、
最後の時代の作品といえるかもしれません。
年代 1900年代初頭
国 イギリス・チェスター(ホールマーク有り)
素材 シンセティックルビー パール 9金
サイズ 17号
サイズ直しについて
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