二十世紀半ば頃製のリングです。
アンティークやヴィンテージのジュエリーではあまり
見かけない、イエローカラーのシンセティックサファイアを
使用しています。
シンセティックサファイアは「サファイアに似せた模造石」
ではなく、天然石と同じ成分や特性を持つ合成石です。
その歴史も古く、誕生は19世紀、20世紀以降は多くの
ジュエリーに用いられてきました。
量や質をコントロールし、天然石に比べ価格を抑えることが
できるのは合成石の最大の利点です。
しかし1900年代初頭以降のジュエリーを見ると、けして
その目的のためだけに使用されていないことが分かります。
当時大きく変化したジュエリーデザイン、地金の素材に
合わせ、色や形、数などの面で比較的自由度の高い合成石が
必要不可欠な存在となっていたのです。
直径約10ミリと大粒で、ゴールドやオレンジ、ブラウンまでも
混ざるような、濃く深みのあるイエロー。
カットの良さが、輝きや色をさらに魅力的に見せています。
この大変稀少な美しさは、まさにシンセティックサファイア
だからこそのものでしょう。
両脇にはラウンドカットのダイヤモンドを三石ずつセットし、
石の台座、リングのフープ部分も純度の高いイエロー
ゴールドで仕上げています。
王道のブルーではなく、ひと目では分からないであろう
イエローのサファイア。
脇石とは呼べないほどに大きくクリアで、上質なダイヤモンド。
デザイン性に優れ、ボリューム感も備えた地金部分。
一つ一つの要素を紐解いていくと、今作がいかに
ファッショナブルな感性と遊び心を大切にして作られた、
贅沢なジュエリーであるかが見えてきます。
年代 1950〜60年代頃
国 ヨーロッパ
素材 シンセティックサファイア ダイヤモンド ゴールド
サイズ 13号
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