アンティークのブレスレットです。
1900年代初頭頃製と推定します。
前面でゴールドのラインが重なり、その二本を縦並びの
ダイヤモンドが繋ぐシンプルなデザイン。
飾りといえば、ダイヤモンドの上下、ゴールドラインの
先端にあしらわれたいくつかの小さな粒金のみです。
地金の控えめな装飾性が奏功し、ゴールドの滑らかな光沢と
ダイヤモンドの輝きが存分に引き立てられています。
ダイヤモンドの存在感はもちろん、石自体のクオリティーの
高さにも因るものです。
石数はゴールドラインの左右両端に三つずつ、計六石。
上部に厚みを持たせ、裏側の先端を切り落とした
古いダイヤモンドに特徴的なカットです。
石周りにも、通常輝きを増幅させるために用いることの多い
白色の金属ではなく、金色のゴールドを使用しています。
それでもなおきらきらと美しい煌めきを見せるのは、
石そのものの透明度の高さ、豊かな表情を生むカットに
加え、裏側から光を取り込むセッティングも関係して
いるのでしょう。
地金には、差し込み式のクラスプ裏に "15CT(15金)" の
刻印があります。
現代の私たちにあまり馴染みのないこの金の純度は
1854年から1932年の間、イギリスで正式に定められた
ゴールドの基準です。
1800年代、重厚感や華やかさを伴うヴィクトリアンの
ジュエリーとは趣の異なる、軽やかなデザイン。
すっきりと、直線を意識したモダンな雰囲気からは
アールデコの香りも漂います。
製作時期をさらに限定すると、1910年〜1920年代頃、
エドワーディアンからアールデコへの過渡期、15金が
法定金位外とされる直前の頃でしょうか。
デザイン、地金、宝石、作品の随所に時代性を伴う
アンティークならではの魅力が溢れています。
年代 1900年代初頭頃
国 イギリス
素材 ダイヤモンド 15金
サイズ 手首周り約16.5cm
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