ヴィンテージのリングです。
1940年代、アメリカ製と推定します。
直線と幾何学模様を強調した台座のデザインは、1920年代以降、
美術や工芸、ファッション業界を席捲したアールデコ様式の
影響を色濃く受け継いだもの。
赤味を帯びたゴールドに、鮮やかなピンクレッドのシンセティック
ルビーが美しく映えます。
石と石とを隙間なく並べるセッティングもまた、デコの頃を機に
多くのジュエリーに用いられるようになった技法です。
両端には二石のシングルカットダイヤモンドが配されています。
石周りにのみホワイトゴールドを使用しているのは、ダイヤモンドの
輝きを強調すると共に、温かみのあるゴールド色との対比効果も
目的としているのでしょう。
デザイン全体に奥行とリズムを与えています。
同種のリングは、女性たちが華やかで大ぶりなリングを着け、
カクテルを片手に社交を楽しんだことに由来し、「カクテルリング」
と呼ばれています。
落ち着きと華やかさのあるローズゴールドと、アールデコの香りを
残すボリューム感たっぷりのデザインとの組み合わせは、
1940年代に流行したスタイル。
1900年代初頭から広く普及した合成(シンセティック)宝石も
この頃を境により豪華に、ファッショナブルにジュエリーを
彩るようになり、カクテルリングにも好んで使われています。
時代の空気をそのまま閉じ込めたような、存在感溢れる作品です。
ルビーの小さなカケは作品の完成度を損なわないものと考えます。
年代 1940年代
国 アメリカ
素材 シンセティックルビー ダイヤモンド ゴールド
サイズ 13号
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