アンティークのリングです。
1900年代初頭頃製と推定します。
地金はイエローゴールドとプラチナを合わせた、この時代に
よく見られるもの。
ベゼル中央に四角形、脇に三角形を二つ、繋げ並べています。
三つのモチーフにはそれぞれ、ダイヤモンドが一石ずつ
配されています。
センターはシングルカット、両サイドにはシングルとローズカット。
ややラフなカットによる落ち着いた輝きが、アンティーク
ダイヤモンドならではの味わい深い魅力です。
各石は放射状にカットした地金の中央に埋め込まれています。
このセッティングは金属に反射する光が石、とりわけダイヤモンドの
輝きと存在感を最大限に引き出すため、19世紀から20世紀に
かけてのジュエリーに好んで用いられました。
なによりもその星を思わせるロマンティックな形状が、当時の
人々の趣向に合致していたのでしょう。
今作品においても、シンプルなモチーフに愛らしさを添える
大きなポイントとなっています。
正面から眺めると直線的で左右対称をなし、端正なフォルムを描く
ベゼル部分は、横から覗くと台座に透かしを施した、軽やかで
繊細な印象です。
それらは1910年頃までのエドワーディアン様式と、1920年代以降
隆盛を極めるアールデコ様式とが混在したもので、推定製作時期を
さらに限定する手がかりとなります。
華奢で上品、かつどこかモダンなリングは、まさに時代の
境い目の象徴だといえるでしょう。
"18CT" "PLAT" の刻印。
年代 1910年代〜1920年代頃
国 イギリス
素材 ダイヤモンド 18金 プラチナ
サイズ 12.5号
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