アンティークのリングです。
リングトップ部分裏側に「935(シルバー)」、フープ部分には
「333(8金)」の刻印が確認できます。
「925(シルバー)」でもなく「375(9金)」でもないこれらの
特徴的な数字から、1920年代〜1930年代頃、ドイツ製だと
考えられます。
モチーフはフラワーベース。
濃くあざやかなブルーのエナメルを背景に、キラキラと輝く
マルカジットが花と器をかたどっています。
基本は左右対称に、ただ手仕事による差異なのか、あるいは職人の
遊び心なのか、ほんの僅かな非対称性がモチーフをぐっと
アーティスティックに見せています。
角に丸みを帯びた長方形のプレートは、辺が2センチ前後と
女性の指であれば横幅すべてを覆うほどの大きさです。
その縁を、モチーフと同様マルカジットがぐるりと囲んでいます。
マルカジットの金属にも似た輝きと、エナメルの滑らかな艶。
その光と色のコントラストがモチーフ、ひいてはトップ全体の
存在感をさらに際立たせているようです。
1920年代から30年代頃といえばアールデコ。
マルカジットやエナメルは直線的な幾何学模様、視覚的な対比といった
アールデコ特有の要素と相性が良く、好んで用いられました。
リングデザイン自体はおそらく、ジョージアンのジュエリーに
影響を受けたものでしょう。
かつてブリストルグラスやローズカットダイヤモンドが示した
重厚な世界観が、エナメルとマルカジットによってよりモダンに、
時代性を帯びた表情へと生まれ変わっています。
"333" "935" の刻印。
リングサイズの実寸は9.5号ですが、フープにゆがみがあるため
装着感は12号程度となります。
※ケースは付属しておりません
年代 1920年代〜1930年代頃
国 ドイツ
素材 マルカジット エナメル 8金 シルバー
サイズ 実寸約9.5号
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